コウネってどんなお肉?
コウネとは牛肉の肩バラ肉のことで、広島県以外では「ブリスケ」や「前バラ」、「肩バラ」とも呼ばれたりしているそうで、1頭からは2kgほどしか取ることのできない希少部位です。赤身の部分は、運動量の多い、両前脚の間にあたる部位になるので、肉質は硬めで、サシはほとんど入りません。そのため、ブロックの状態ではちょっと食べずらいんだとか。外側につく、脂の塊ごと薄くスライスした状態でより美味しく食べることができます。
コウネってどんな味?
肝心の味は、一言でいうと「しっかりした“牛味”」。一緒に食べるコリコリ触感の脂身との組み合わせは意外ですが、相性抜群です!牛肉好きのみなさんにもきっと納得いただけるはず。近年は、赤身肉が流行していて、脂身は避けられている傾向にあるので、はじめてコウネの生肉をみると「かなり脂身が多いけど、大丈夫だろうか…」という印象を持つかもしれませんが、想像よりはあっさりめ。美容にいいコラーゲン・ゼラチンも豊富に含まれています!
広島だけで食べられているの?
肩バラ肉と聞くと、どの牛にも含まれそうな部分だし、なぜ広島だけでしか食べられていないのか、不思議に思いませんか?実は、他県の人たちが全く口にしていないというわけではないんです。広島県では、肩バラ肉の部分を単体で切り落として食べているのですが、他県では、別部位の一部として一緒に切り分けられているため、知らないうちにみなさん口にしているというわけなんです。
コウネの歴史
コウネが広島で親しまれるようになった背景には、地域特有の食文化があります。昔から肩バラ肉の脂身を薄くスライスして焼肉やすき焼きで楽しむ調理法が広島で発展し、その独特の味わいが地元の人々に愛されてきました。かつては老舗焼肉店でしか味わえない希少な存在でしたが、2010年代からお好み焼き店での提供が増え、5年ほどでファミリー焼肉店でも定番化。現在では、広島の焼肉文化を象徴する一品として多くの人に親しまれています。
コウネに関する記事
日本経済新聞